人類は直立歩行を始めて以来、生活の中で「歩く」「走る」「跳」「投げる」という基幹となる動きを身につけ、自然を克服し、乗り越えてきました。人間の動作としては最もシンプルで、最も先端的な営みが競技化されたのは、産業革命に成功して豊かな市民社会を築き上げていた19世紀の英国でした。1896年に創設された近代五輪では、大会の中核競技としてスポーツ界をリードし、技術面やトレーニング面またはメンタル面でも常に最先端を歩んできました。
近年では更なる競技力向上のために競技運営委員会・指導者養成委員会・施設用器具委員会・科学委員会・医事委員会(スポーツ栄養部/トレーナー部)などが組織化され日本や世界の頂点に挑み続ける陸上競技者のパフォーマンス向上とキャリア自立を両立するライフスキルトレーニングプログラムを実施しています。
さて、本日の陸上教室では「来シーズン」に向けて基礎的な要素の復習を兼ねたトレーニングを多く実施しました。 まずは、ハードルを用いた直立歩行 です。姿勢を正し、横から抜いてきたスネや腿を進行方向に来るまでは下に落とさずに丁寧に行います。
ハードルが終わったら5~6歩移動して中腰からの倒れ込みスタートをします。ここでは手の握り方や腕振り、猫背やガニ股になっていないかチェックもします。
ある程度、カラダが温まった事を確認してハードルジャンプを行いました。胴体の前方回転を防ぐ対策として肩の後方回転と空中姿勢は膝ではなく「丹田」を持ち上げるように指導しました。少し広めの間隔では膝の伸展を抑え足裏は縦転がしすることで推進力を高まると助言し、少し狭めの間隔では全身を固めアンクルホップと同じ要領で行わせました。
次はランダムに並べたハードル走です。力感の調整を行うトレーニングになります。
この後は2グループに分かれます。ショートスプリント系はシャフトワーク、スキルミル、コーンリーチ、アブゾーブジャンプ、ボール投げの順でトレーニングを行いました。
ロングスプリント系はランニングと補強を組み合わせたサーキットトレーニングで心拍数を上げました。
この時期は、一般的に移行期または過渡期と呼ばれています。他のスポーツや日頃やっていない種目に挑戦したり、基本的な走力や跳躍力の測定をするのも良いでしょう。そう言う意味では、次の準備期(鍛錬期)に向けての下ごしらえをする時期です。また、局部疲労からくるスポーツ傷害や大会を通してのストレスからくる全身疲労がある場合はひとまずリセットしましょう。